今、目が離せないドラマがあります。今期放送している『エルピスー希望、あるいは災いー』、これがドキュメンタリー顔負けの冤罪を追うテレビ制作者のドラマになっています。
わたしも日本のテレビの世界を翻訳者として遠巻きに見て、今は海外制作のために日本という国を客観視しつつ日本に住む当事者として考えるのですが、最新話の「おじさんのメンツとプライド」は何よりも触れてはいけないものというくだりも、現在の日本を的確に表していると感服。
もちろん世界中至るところである種のおじさんはメンツやプライドに何よりこだわりそのために復讐をしたりするのですが、そして言ってしまうならそのおじさんのメンタリティーは女性も持ち得て、それは今の世の中では性別を超越し「おじさん」と言い得るとも思うのですが、そのような世の中で、わたしみたいに組織の枠から外れて生きている人間もよく感じることがあるゆえ、その中にいる人たちはなんと生きづらいものよと思うのです。そんな構造は、次の世代ではなるべく軽くしたいと思いますが、おじさん構造真っ只中の日本の政治を見ると、この国は永遠に変わらないのかもとも思ってしまいます。
とにかく、『エルピス』は必見です。プロデューサーの佐野さんという方、TBSでこの企画を立てたもののテーマを問題視され、結局退社し転職先の関西テレビでこちらを見事作ることになったというのもすごいではないですか。カンテレも、とても良い判断をしたと思います。最後まで、寄り添って真面目に見ますよ。